CAUTION

この先にあるのはダークです。
グロいです。死にネタです。
柳生がおかしいです。
色々とあり得ないことが多いです。
正直言ってファンタジーです。
正確に言うとただの無理心中です。
こんなのマジで書いてうっとりしてる奴が一番イタイです。
なら書くなって話です。
一応ＣＰは柳生仁王ではあります。
何を読んでも後悔しない人、お心の広い人。
管理人頭悪いなぁと笑って許してくれる人だけ。
どうぞ下の方にスクロールして下さい。
そーゆーの嫌いな人は絶対見たら気持ち悪くなりますよ。

「君の其の総てを」

「さぁ、口を開けて」
す、と差し出される腕。
滴り落ちる、生命の雫。
逆さに覗き込む顔は、いっそ美しいほどの笑顔で。
「ほら、ちゃんと飲まないと死んでしまいますよ」
ぽたぽたと口元に降り懸かる生暖かい液体。
水…命の水…。
彼は僅かに口を開けた。
途端流れ込む、どろりとした血。
思っていたよりもそれは粘ついて、苦い。
濃い鉄の匂いに噎せ返る。
既に顔の下半分は真紅に染まり。
他人の血に染まった喉が、ゆっくりと動いた。
ごくり、と己の血を嚥下するその動きに。
強烈な愉楽を感じた。
ぞくぞくする。
このまま達してもいい。
溢れ出る血潮が愛の証になるのならば。
幾らでも流してしまえ。
まして、彼が己の意の儘になる、その代価となるならば。
キツイ目が、それでもまだ反抗的な色を宿しているのすら。
今は、尚更愛おしい。
「そう、いい子ですね。もっと飲んで下さい」
切れの長い目が、澄んだ色を湛えて彼を見下ろしている。
冷たい床に、ジーンズだけを着けた姿で横たわる彼を。
身動きできぬように拘束された彼を。
「何で…こんな・・・」
紅い唇が喘ぐように動いた。
赤い、紅い、どこまでも、紅い・・・。
「貴方に差し上げたいのです、私を」
空いた手が、ゆっくりと戒めを解いていく。
愛しくて欲しくて。
抱いて抱いて、抱き殺したいと思った躯。
凶悪な欲が、自分の何処に潜んでいたのか。
望みは止められず。
枷を振り切って走り出す。
話す間もゆっくりと喉は上下する。
満足な食物も水も与えずただ犯し続けた。
乾いた躯は無条件に水分を欲しがっている。
永遠の侵犯。
失われる命の、この一瞬と言う名の永遠。
彼の躯を犯し続ける、自らの血。
興奮と満足に益々鼓動が高鳴る。
徐々に弱くなりつつも、歓喜に脈打つ胸の鼓動。
感じてくれるだろうか。
この身勝手な想いを。
愛とは自己満足でしかないなら。
これはその最大の表現なのだろう。
彼の足先に出来る真紅の海。
刻々と広がりゆく、血の海。
どちらの命が流れ尽きるのが早いだろう。
そっと愛しい男の頭を胸に抱きかかえる。
「愛していますよ…」
「…信じられるか…」
弱々しい声。
この声とこの熱を抱いたまま逝くのならそれだけでいい。
唇から零れる言葉は、睦言にも似て甘い。
「貴方が、欲しいのです。貴方の総てが」
「なら…なんでお前も…死ぬ？」
当然です、と答える声は恍惚と震えていた。
「愛しているから、一緒に逝きます」
あぁ、一切の音が消えてゆく。
総ての光が失われていく。
それでも、暗転する世界に残るのは。
愛して止まない男の顔。
決して屈しない、その瞳の色。
まだ、声を出せるうちに、伝えたい。
幾度も囁いた言葉を。言い足りぬ想いを。
「貴方を最後に抱いているのは、私です…」
「柳生・・・」
その瞳が最後に映す物が、自分であったら。
ただ、それだけの為に。
「愛していますよ、仁王くん・・・」
最後に触れ合わせた唇は、どちらから寄せたものだったのか。
澱んだ時が、静かに二つの骸を包み込んでいく・・・

〜　終　幕　〜