「拘束」

革、紐、縄、鎖・・・。
君の白い肌に似合うのはどれでしょう。
均整の取れた手足に似合うのは。
離れないように、逃げられないように。
君の手を縛り、足を戒めて。
あぁ、鉄の輪というのも素敵ですね。
君の滑らかな肌に食い込む無情な鉄…。
鳥のように自由な君を地上に繋ぎ止める。
そう、君の細い腰に鎖を巻くのはどうでしょう。
ずっとずっと、私の傍にいるように。
何処にも行かないように。
誰の目にも触れないように。
あぁ、仁王くん…君は罪な人です。
君という存在が、私の心を拘束している…。

柳生はペンを置いた。
便箋を折り、白い封筒に入れると、丁寧に封をする。
「…ラブレターというのも、難しいものですね」
柳生は幸せそうな微笑みを浮かべた。
「君にこれを読んで貰うのが楽しみです…」
柳生の脳裏には恥ずかしそうに俯く仁王の姿が浮かんでいた。
きっと照れ屋で素直でない彼の事だから、怒った振りをするだろう。
そんな素直でないところも可愛いと、柳生は思っていた。
「可愛い仁王くん…君に私の想いが伝わりますように」
柳生はそっと思いを込めて封筒に口づけた。

翌日、この手紙を仁王に渡した柳生がどうなったかは、定かではない。

〜Ｂａｃｋ〜