「平和」
〜テスにゃんの一日〜

ぬくぬくなの。ぽかぽかなの。
とっても気持ちいいの〜♪

春です。テスにゃんの大好きな季節です。
んにゃ…んにゃぁぁぁぁん・・・。
大きく伸びをしてテスにゃんは起きあがりました。
お外はもうすっかり明るくなっています。
（まま、ご飯なの）
ぽてぽてとママの足下に寄ります。
「何だ、今頃起きたのか、お寝坊さんだな、お前は」
綺麗なママは、テスにゃんのご飯をくれます。
優しくって、テスにゃんは大好きでした。
（ままのご飯はとっても美味しいの〜♪）
もくもくもくもくもくもく…。
テスにゃんはゆっくり良く噛んで食べます。
「本当にお前はお行儀がいいな」
ママが頭を撫でてくれました。
（褒められたの♪）
「ったく、あのバカ猫とは大違いだぜ」
テスにゃんの背後から現れたのは、パパです。
ママの大好きな人です。
でも、テスにゃんはちょっぴり怖かったりします。
パパだって、本当はとっても優しいのですが。
「あ、ソル。ちび達はどうした？」
「あ？　庭で転げ回ってるぜ。
朝っぱらから無駄に元気な奴らだぜ」
呆れたようなため息を付いて、パパはソファーに腰を下ろしました。
（ごちそうさまでした、なの）
テスにゃんはぴょこんと頭を下げました。
「はい、よく食べました」
ママはテスにゃんを抱き上げると、パパのお膝に下ろします。
「…何だ、俺か？」
「偶には遊んであげて。私はすることがあるから」
そう言って、ママはお台所に消えていきました。
「…ったく。しゃぁねぇな」
大きな手が、テスにゃんの頭をぽんぽんと叩きます。
（ふぅ、お腹一杯なの。毛繕いしよう）
パパのお膝の上で、テスにゃんは毛繕いを始めました。
「…ホントに、お前はテスみてぇで可愛いよな」
そう猫に話しかける２００歳でした。
一生懸命テスにゃんが毛繕いしていると。
（テス〜、遊ぼうぜ）
（あ、ソル〜♪）
テスにゃんの大好きなソルにゃんがやって来ました。
ぴょんと飛び降りて、テスにゃんは走り出しました。
お庭にはお友達が待っています。
ちびテスちゃんとちびソルくんです。
みんなで追いかけっこをしたり、転げ回ったり。
とても楽しいです。
（ふぅ…。ちょっと疲れたの）
テスにゃんはそっとお庭から出ました。
お家から少し歩いたところに、素敵なお花畑があるのです。
（うふふ…お花さん、ふかふか♪）
すっかり春なのです。
お日様もぽかぽかです。
日溜まりを見つけると、テスにゃんは早速丸くなりました。
（今度は、みんなでお昼寝に来よう…）
そう思いながら、テスにゃんはぐっすりと眠り込みました。

「みんな〜、お昼ができたよ〜」
ママの呼ぶ声に応えて集まって来たのは、二人と一匹。
「あれ？　あの子がいない…。ソル探して来て」
（任せとけ）
ダッとソルにゃんは駆け出しました。
大好きなテスにゃんが傍にいないのは、寂しいのです。
（えっと…あいつが行きそうなトコは…）
テスにゃんの匂いです。
ソルにゃんはすぐにテスにゃんを見つけました。
（おい、テ・・・）
ふーすか、ふーすか・・・。
テスにゃんはお花に囲まれてふーすかしていました。
余りによく寝ているので、ソルにゃんは起こすのが可哀相になりました。
（しょうがねぇな…）
テスにゃんを守るように、ソルにゃんもその隣に横になります。
（まったく、昼寝が好きな奴だぜ）
そっと首の後ろを舐めてやりました。
（んにゃ…ソル・・・）
寝ぼけたのか、テスにゃんがぎゅぅと抱きついてきました。
（俺が、ずっと傍にいてやるからな…）
そして、いつしかソルにゃんも眠りに落ちていったのです。
（ん・・・。あれ、ソルなの。おねむしてる…）
お日様が傾きかける頃、テスにゃんは目を覚ましました。
見ると、ソルにゃんが隣でぐーぐー寝ています。
（うふふ…ソルお寝坊さん）
テスにゃんはソルにゃんのほっぺにちゅ、をしてあげました。
（んあぁぁぁぁ…よく寝たぜ。あ、テス、起きたのか？）
（うん、今起きたの）
ソルにゃんは大きく伸びをしました。
（よし、んじゃ、帰るぜ）
（うん。今度はみんなで一緒に来ようね♪）
（あぁ、そうだな）
ソルにゃんとテスにゃんは、仲良く並んでお家へ帰ります。

「あ、お帰り。随分ゆっくりだったな」
（まま、ただ今なの）
（腹減った〜、メシ〜）
「ほらほら、暴れない。食事は出来てるから」
綺麗なママが、ソルにゃんとテスにゃんの前にお皿を置きました。
がつがつがつがつ。
もく もく もく もく…。
「あ〜ぁ、またこんなに零してるよ、この子は」
「…テスに手間掛けさせんな、このバカ猫」
パパがソルにゃんの頭をはたきました。
（ぱぱ、ソルをいじめちゃ駄目なの〜）
テスにゃんは、じっとパパを見上げました。
「う゛っ…」
困ったように頭を掻いて、パパは何処かに行ってしまいました。
「はいはい、もういいか、お前達」
（ごちそうさまでした）
テスにゃんは甘えるように一声鳴きました。
（おなかが一杯なの）
ぽてぽてとお気に入りのバスケットに乗っかります。
（あ、そうだ、毛繕いしよう）
向こうで、ちびソルくんとソルにゃんが遊んでいる声が聞こえてきます。
でも、テスにゃんは毛繕いをして、お布団を確かめると丸くなりました。
（今日も、幸せな一日だったの…）
そして、ゆっくりと眠りに落ちて行きました。
暫くしてソルにゃんがやって来ました。
（あ、テスの奴、もう寝ちまってる。…乗っかっちゃえ）
ふにゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁん。
「煩ェぞ、外で犯れ！」
（もう、ソルったら〜〜〜〜〜♪♪♪）
春は、幸せの季節なのでした。

〜Ｅｎｄ〜

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久々にねこです(^^)
出来はともあれ、出来上がっただけ、よかった〜。
ほのぼのと、ねこの一日なぞ。
こうして、テスにゃんは幸せに暮らしているのでした♪