ジャッカルとの事

何だ？カラダがアツイ。
…あぁ、そうか。また俺、コイツと寝てるんだ。少し、意識飛んでたかな。
ジャッカル。ブラジルとのハーフだからなのかな。すげー絶倫。…関係ねぇか。
それより、俺よりずっと躰でかいから、重いんだよな。正常位ヤダっつってるのに、セックスすると、いつもこの体位。
「…重いって、言ってんのに…」
「顔、見えねぇの嫌だしよ…、コレでいいだろ？」
そう言うと、ジャッカルのヤツ、もっと奥に突っ込んできた。ヤバいなぁ、そこ弱いのに。
俺が過敏に反応したの見て、ジャッカル、笑って俺の髪を撫でてきた。
ガキ扱いされた感じがして、ちょっとムカつく…けど、イヤな笑いじゃなかったし…ま、いっか。
そんな事考えてたら、腰の動きを激しくして、俺に聞いてくる。
「ブン太…、一度聞こうと思ってたんだけどよ…。何で、俺と寝るんだ？」
「…んっ、分かんね…、気持ちイイから…じゃ、ダメ…か？」
手を伸ばして、ジャッカルの頬に触れる。褐色の肌は、熱く火照ってる。俺と同じくらいかな。
「ダメだ。ちゃんと、答えろよ……」
俺の両脚を抱え上げると、ジャッカルは更に奥に腰を進めた。ダメだ、良すぎて我慢出来ない。堪んなくて、声を上げた。
今にもイキそうな、イヤらしい声が部室の中に響いて、ジャッカルが慌てて俺の口を押さえた。
「バカ。そんな声出したら…」
「誰、も…来ねぇよ。皆、帰っただろ…っ…」
口を押さえる手を咬んで、抵抗してみた。そんなに強くじゃないけど。
まさか咬まれると思わなかったんだろうな、ジャッカルのヤツ、ビックリして手を離した。
「…痛ェな」
「俺の、方が…いつも、痛ぇよ」
ニッと笑い、俺はジャッカルの首に手を回し、近くに引き寄せると、中のモノを強く締め付けた。
「…おい、止めろ…よ。中に出しちまうって…」
微かに眉を寄せ、ジャッカルが苦しそうに呻いた。ざまーみろ。それに、いつもヤラれてばっかじゃ、つまんないし。
「あぁ、別にいいよ…。中出し、しても」
「…って、後で辛いの、お前だろ」
「ジャッカル、始末してくれんだろ？」
俺は笑いながら、そう言って、ジャッカルにキスをした。
外見と違って、ジャッカルは優しいから、いつもセックスの始末してくれるし、犯りすぎで部活出られない時の言い訳も考えてくれる。
本当にいいヤツ。…損してるけどな。
「解ったよ…ったく、しょうがねぇな…」
唇を合わせたまま呟くとジャッカルは苦笑して、小さく溜め息をついた。
コイツの癖。俺とセックスしてると、苦笑して溜め息をする。他のヤツとしてる時も、こうなのかな。
っていうか、他のヤツとセックスしてんのかな。
「んっ…なぁ、ジャッカル、お前さ、他のヤツと…セックスした事ある？」
「…最中に聞くような事か？それって」
「答えないと、真田に『ジャッカルに犯られた』ってチクる」
真顔で言うと、一瞬ジャッカルの動きが止まった。アイツ、怒るとマジで殴るから怖い。
一番、割を食ってんのが、ジャッカルなんだよな。俺とか赤也のお守りの所為で。
「あるよ」
暫く黙った後、ボソッと小さい声が聞こえた。ふてくされてるのか、俺の顔、見てない。案外、可愛いとか思ったり。
「どんなヤツと？相手、やっぱり男？年は？」
興味が湧いて、質問攻めにする。でもジャッカルは答えないで、急に腰を動かし始めた。さっきよりずっと激しく。
「や、っ…ジャッカル、痛…っ、あ…ぁあ！」
「イケよ。俺とするの、気持ちイイんだろ」
初めて聞く、ジャッカルの怒った声。表情は見えないけど、声で解る。あぁ、コイツ、怒ってる。
何に、怒ってるんだろ。　首に回した手に力が入って、爪を立てた。それで、少しだけ動きが緩む。
「ジャッカル…、何だよ、急…にっ…」
「お前だって他の男と寝てるんだろ。知ってるよ。…なのに、何で俺とも寝る？」
首筋に、ジャッカルの舌が這う。あぁ、何かいつもと違う。他のヤツとのつまんないセックスとも違う。…獣に喰われてる感じ。
ゾクゾクしてきた。もっと、欲しくなる。
「理由、考えた事ねぇよ。…っ、あ…やっぱり、気持ちイイから…だよ」
「それだけ、なのかよ…」
ジャッカルが俺の脚から手を離した。
その後、急に躰が浮いたと思ったら、俺は膝に乗せられていて、ジャッカルと正面に向き合っている体勢になってた。
何だよ、正常位以外、知ってんじゃん。出し惜しみしてたな。
「ケダモノ」
「人の、事…言えんのかよ。いつもより、凄ェ締めてる」
イキそうな顔を間近で見られんのが恥ずかしくて、抱きつくと、ジャッカルのモノを締め付けてやった。
別に、今まで誰とどんな格好でしてても、恥ずかしいとか思った事ねぇんだけどな。変だ。
「ジャッカル…、もっと、奥…」
「あぁ、解ってる」
腰に手を添えられて、少しずつジャッカルのモノが抜けていく。
ジリジリと焦らされる擬かしさに頭を振ると、ジャッカルが頬にキスをしてきた。
「いいか…、いくぞ？」
口を開くと、もう多分意味不明の言葉しか出ないから、頷くだけにする。
ジャッカルも解ってるらしくて、そのまま一気に奥まで突き上げてきた。
それからは、よく憶えてない。
泣きそうな声を張り上げる俺にジャッカルが何度もキスしてくれた事と、ベタベタになった躰をジャッカルが丁寧に拭いてくれた事。
憶えてんのは、そんくらい。
こんなに激しかったの、初めてだ。どうしてなんだろう。
漸く頭がはっきりしてきて、軋む躰をゆっくりと起こした。
余所を向いていたジャッカルが気が付いて、起きるのを手伝ってくれる。さっきはあんなに怒ってたのに。変なヤツ。
「悪かったな。痛ェだろ」
「いい。今まで一番気持ちよかったぜ。…やれば、出来んじゃん」
剃った頭をペシペシと叩くと、ジャッカルは苦笑して、俺にシャツを着せて、ネクタイを締める。
「なぁ、何でだよ」
「お前、今日は質問してばっかりだな。で？今度は何だよ」
「いつも俺とセックスする時、苦笑して、溜め息ついてるだろ。俺とすんの、イヤなのか？」
顔を見上げながら聞くと、ジャッカルは少し困ったような表情になった。黙り込むと、腕を組んで、暫くそのままで考えてる。
「イヤじゃねえよ。普通、イヤな相手とするか？しかも男だぞ」
それならどうしてだ、って聞こうとする前に、ジャッカルが俺の頭を撫でてきた。
「お前の顔。可愛かったり、…妙に色っぽかったり。コロコロ変わって…その顔見てると、ヤバいなって思うからな」
「ヤバい？」
ジャッカルは頷くと、正面に座って、俺をいきなり抱き締めてきた。…何だ？
「マジになりそうで、ヤバいって事だよ。…男なのにな」
「……ジャッカル…？」
腕に力がこもって、少し苦しい。けど、振り払えない。それより、何だよ…マジって。
「なぁ、ブン太。他のヤツと、もう寝るなよ。したかったら、俺がしてやるから」
何だよ、そんな言い方すんな。狡いぞ。告ってるみてぇじゃん。
「お前だけにする。もう他のヤツと寝ないから。なぁ、ブン太。お前も俺だけにしろよ」
真剣な声。お前だけ、か。そんな風に言われんの初めてだ。気持ちイイ。
ジャッカルの顔を、ジッと見る。本気なんだろうな。視線逸らさないで、俺を見てる。ジャッカルの目の中に、俺の顔。
「いいけどさ。一個だけ、条件ある」
「何だ？」
手を伸ばすと、俺はジャッカルの広い背中に手を回した。
「…週に一回、必ず、マック奢って！」
笑いながら、言った。ジャッカル、呆気にとられてる。マジで告って、こんな返しされると思わないだろうしな。
でも、コイツと一緒なら、きっと何でも楽しく思えるだろうと思う。テニスも、セックスも。
そんな事を考えてたら、ジャッカルに言われた。
「お前…本当に本能のままに生きてるんだな…」
大正解。ジャッカルにしては、鋭いじゃん。だから、好きになったんだろ？
俺は立ち上がると、ジャッカルの手を引っ張った。まず一回目の奢り。何を奢ってもらおうかな。
Ｆｉｎ

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相棒の久遠寺くんより。
わ〜い、ありがとう〜。ジャブンだね〜(^^)
コレをオカズに、拙者も精進するたい。
全く最近不甲斐なくてねぇ…。
おいらは最早エロ作家の名を返上するしかないね。
あんなヌルイのしか書けないんだからさぁ。
つーことで、頑張れ、エロ大明神！(笑)